子どもの病気を治療する病院の種類について

子どもの病気を治療する病院には、さまざまな種類があります。その主な病院の特徴について紹介します。

小児がん拠点病院

国が策定する「がん対策推進基本計画」では、小児がんは重点的に取り組む課題の一つとして位置づけられており、2013年2月に全国15の医療機関を「小児がん拠点病院」に指定しました。

小児がん拠点病院には、難治性のがんや専門的診療を必要とするがんにかかった子どもを主な対象として治療を行うことが求められていることもあり、遠方からやってきて入院・治療する子どもや家族は少なくありません。

このような状況に置かれた家族への支援として、小児がん拠点病院の指定要件には家族の滞在施設であるファミリーハウスを併設することが定められています。

日本小児科学会 中核病院小児科・地域小児科センター

日本小児科学会では「我が国の小児医療提供体制の構想」と「地域医療計画」をもとに各都道府県と緊密に協力しながら「中核病院小児科」「地域小児科センター」を登録し、各地域において適切な小児医療提供体制の構築に取り組んでいます。

中核病院小児科

大学病院(本院)および総合小児医療施設(小児病院等)が主に該当し、ほかの中核病院小児科や地域小児科センターとネットワークを構築し、網羅的・包括的な高度医療・三次医療¹⁾を提供します。

また、医療人材の育成・交流など含め、地域全体に貢献します。2021年7月現在、全国に119施設あります。

地域小児科センター

24時間体制で小児二次医療¹⁾を提供するとともに、小児医療・保健事業の地域最前線における司令塔の役割も果たします。原則として1つの地域小児医療圏に1か所を設置する計画です。2021年7月現在、全国に397施設あります。

注釈1)

一次医療…通常よくみられる病気や外傷などの治療のほか、ワクチン接種などの疾病予防、健診などの健康管理なども行います。地域の診療所、クリニック、中小病院がこの役割を担います。

二次医療…入院を必要とする治療および外来では専門性のある診療を行っています。総合病院など地域の中核的な病院が担います。

三次医療…入院・外来ともに特殊な診断や治療を必要とする高度かつ先進的な医療を行っています。大学病院やがんセンターなどの特定機能病院が担います。

参考文献

国立成育医療研究センターHP小児がん拠点病院

日本小児科学会HP 中核病院小児科・地域小児科センター登録事業

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