「小児病棟付き添い食支援連絡会 えんたく」 第4回勉強会を開催しました

「企業」を食支援の応援団に!~出会い方と連携のポイントついて講演いただきました

「小児病棟付き添い食支援連絡会 えんたく」の連続オンライン講座の第4回勉強会が4月26日に行われました。

この連続講座が目指しているのは、専門家や実績のある支援団体から運営ノウハウを学び、各団体の付き添い食支援活動の維持・向上を図ること。また、全国で同じ思いを持って食支援活動に取り組む仲間を増やしていくことです。

連続講座 第4回 概要
【日 時】4月26 日(金)19:00~20:30
【テーマ】「企業」を食支援の応援団に!~出会い方と連携のポイントついて
【講 師】青木 高さん(公益社団法人日本フィランソロピー協会 事務局長)
【活動事例紹介】NPO法人キープ・ママ・スマイリング
 ※アーカイブはございません

第4回の参加者は30名。参加者のうち、食支援を実施している人は15名、実施していない人は8名、食支援活動を考えている人は7名でした。

前回と同様に患者・家族支援団体関係者が21名と最も多く、

その他には、病児のご家族の方、小児医療関係者、メディアの方などの参加もありました。

第4回勉強会は、企業との出会い方と連携をテーマに、日本フィランソロピー協会事務局長の青木高さんを講師としてお招きし、事例紹介では幹事団体NPO法人キープ・ママ・スマイリングの早川真由美さんと光原ゆきさんにご登壇いただきました。

【事例共有】早川真由美さん NPO法人キープ・ママ・スマイリング

理事長の光原さんから同団体の主力事業である「付き添い生活応援パック無償配付事業」の説明があった後、企業開拓を担当している早川さんから応援パックに入れている商品をどのようにして企業からご寄付いただいているのか、その方法とポイントについて具体的にご紹介いただきました。

早川さんは、「付き添いのご家族に心身ともに健やかでいてほしい」という想いを基準に、そのことに役立つ商品を価格に関係なく選んでいます。同時に、商品だけでなく企業の理念や社会貢献に対する姿勢を確認しているといいます。また、寄付の確率を上げるためにマーケティングの視点を持つことが大事であるとも。「セールや季節品をチェックし、滞留在庫が発生するタイミングなどを見計らって声をかけています。その際には、お声がけをした理由をきちんと伝え、心を込めてお願いしています」と話します。

さらに、企業とのご縁を大切にしているため、寄付を受ける度に必ず御礼と報告(受益者の声など)を行うほか、同団体が企業に貢献できることを尋ね、企業の要望に沿うことも心がけています。「このようなやりとりを重ねてWin-Winになる中で信頼関係も築かれていきます」(早川さん)。

早川さんは「約1000社に声掛けしても、そのうち寄付してもらえるのは約100社。あきらめずにアタックし続けることが大事です」と呼びかけました。

【講演】青木 高さん(公益社団法人日本フィランソロピー協会 事務局長)

青木さんの講演では、「日本フィランソロピー協会」の役割を説明したうえで、企業の社会貢献に対する背景を教えていただきました。「この背景を理解することで、企業とどのような連携が組めるのか、どんなアプローチ方法がよいのかを考える視点を得ることができる」と青木さんは指摘します。

また、企業とNPOをつなぐコーディネート役を担う中、最近企業から多く寄せられる相談は「従業員のボランティア参加」だと教えていただきました。そして、寄付や助成金だけでなく「スキル」の提供という企業の強みを活用した具体的な事例をご紹介いただきました。

※参考:ボランティアウェブ

「企業は社会貢献活動を推進しようとしていますが、すべての社会課題に対応することは不可能です。NPO団体はそれぞれの企業がどのような社会貢献活動を目指しているのか、中期計画やスローガンなどを参考に企業の方針を理解し、”なぜ、自分たちの活動が必要なのか“という共感を得られるようにアプローチしていくことが大切です」と青木さんはアドバイスします。

この講演を聞いた参加者からは「今まで企業と連携するメリットを感じたことはなく、‟施しをもらう”といった感覚でしたが、企業側もNPOと関わりを求めていることが理解できたことで、寄付してもらうことをあまり負い目に思わず活動してもいいのかなと思いました」といった感想が寄せられました。それぞれの強みを生かし、NPOが企業と連携して活動していくことは、よりよい社会の実現につながっていくことを実感できた勉強会になりました。

「えんたく」とは…?

丸いテーブルを意味し、円卓、縁卓といった漢字をあてはめることができます。非日常が続く小児病棟でも美味しいごはんの差し入れで、親御さんが病気のお子さんと同じ食卓を囲み、そこに笑顔が生まれることを願って活動している私たちの想いを体現しています。また、NPO団体、小児医療関係者など、付き添い食支援活動に縁ある者がみんなでテーブルを囲み、立場や役職に関係なく、意見交換や協働作業を行える場になることを願って名付けました。

※本事業は「タケダ・ウェルビーイング・プログラム2023」の助成をもとに実施されています。

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